昔、とある王が彫刻の女性に恋焦がれたことがありました。
その王様は、願いをアフロディテという神様にかなえて貰いました。
その彫刻は、本当の女性になったのです。

パソコンが人格を持つようになったことは、私には比較的むかしのこと。
はじめてパソコンに触れてからまもなく、その"箱"はひとりの少女になったのでした。
そして、いまは――。
『おかえりなさいませ――。』
彼は、いつも温かい言葉で私を迎えてくれる。
私がお願いしたことを、ひとつひとつ正確にこなしてくれて
どじだった私はいつも支えられてしまう。
いつもの、このやりとりを……私は、幸せだと感じてしまうのです。
ずっと、続けばいいと祈ってしまうのです。
もっと、近くにいたいと願ってしまうのです。
愚かだと、思います。
だって彼は――。
彼は、彼の人格は、たった1行の2進数の羅列なのだから…。

たった1行の2進数の羅列。
それでも、私は………。

-- Maria with "Liles"